列車に揺られて、森と霧の奮起湖へ
阿里山森林鉄道の旅は、北門駅からのんびりと出発します。
平地のにぎわいを後にして、列車はゆっくりと山の中へ。車窓の外に広がる景色が、少しずつ変わっていくのを眺めながら、心も旅モードに切り替わっていきます。
🌿 平地から高地へ、変わる植物たち
列車が登るにつれ、風景は驚くほどのスピードで変化していきます。
最初はバナナやパパイヤなどの南国の植物が見え隠れしていましたが、標高が上がるにつれて、針葉樹や山の草花が増えていきました。
まるで一本のレールで“季節”と“気候帯”を旅しているかのよう。植物の変化から、自然の奥深さを感じさせられます。
🌫霧に包まれた奮起湖、夏でもひんやり
さらに列車が進むと、山の霧がゆっくりと立ちこめてきます。
その様子はとても幻想的で、まるで物語の中に迷い込んだような雰囲気。
そしてたどり着いたのは、標高1,400mに位置する「奮起湖」。
空気はひんやりしていて、夏でもとても涼しく、天然のクーラーのような心地よさ。
有名な駅弁や古い町並みも魅力的ですが、何より「空気の違い」に癒されました。
🍱 奮起湖で味わう、鉄弁当の温もり
奮起湖に到着したら、もうひとつのお楽しみが待っています。
それが名物の**「鐵弁当(駅弁)」**です!
私がいただいたのは、鶏モモ肉と豚肉の2種類が入った豪華な弁当。
鉄製の弁当箱がとても懐かしく、見た瞬間からワクワクしました。
ジューシーな鶏モモと味のしっかりした豚肉がご飯にぴったりで、ボリュームも大満足。
中でもおすすめなのが、奮起湖大飯店が販売している鐵弁当です。
店内の環境も落ち着いていて、スープが飲み放題なのも嬉しいポイントです。涼しい山の空気の中で、温かいスープをゆっくりといただけるのは、旅の幸せそのものでした。
🚂 阿里山鉄道は、五感で味わう“動く自然図鑑”
車窓に流れる山の風景、霧に包まれる森の空気、そして昔ながらの駅弁の味。
阿里山の鉄道旅は、ただ移動するだけでなく、自然と文化を全身で味わう時間でした。
奮起湖はそのハイライトともいえる場所です。
この旅を通して感じたのは、観光とは「ただ見ること」ではなく、「光を観ること」だということ。木々の間から差し込む朝の光、霧の中でぼんやりと浮かび上がる山のかたち、そして鉄弁当の蓋を開けた瞬間の、どこか懐かしい湯気。
阿里山には、“光”を通して空間や時間を感じる、そんな奥深い体験がありました。
🌄 次回は、阿里山途中にある素敵なホテル、阿里山英迪格酒店Hotel Indigo Alishanをご紹介します~